幸せを願って贈る胡蝶蘭

幸せを願って

「幸福が飛んでくる」これが、胡蝶蘭の花言葉の一つです。胡蝶蘭という名前の響きが気に入って花屋を訪れると、その名の通り、チョウが舞い踊っているかのような美しく、気高い花姿に、私は一瞬にして心を奪われました。その日から、大切な人の幸せな瞬間には、必ず胡蝶蘭を送ろう、と、心に決めました。

 

 そんな私が初めて胡蝶蘭を送ったのは、学生時代からの大親友が新築を建てたときです。親友が新しく家を建てたのは、ちょうど桜が舞う4月ごろのこと。胡蝶蘭の開花時期も同じ4月ごろからです。まさに待ち望んでいたかのようなタイミングに心が踊りました。早速花屋を訪れ、胡蝶蘭選びを始めました。沢山の色、形の胡蝶蘭があり、どれも美しく一つを選ぶのにとても苦労しましたが、どんなお家でも馴染むようにと、真っ白な胡蝶蘭を送ることに決めました。サイズは、玄関に飾って映えるようなサイズを思い浮かべながら選びました。

 

 友人の新築に初めて招かれた日、胡蝶蘭に驚く友人の顔を思い浮かべ、新しいお家を訪れることにワクワクしながら、向かいました。初めて行く家のチャイムを鳴らすと、いつもと変わらない友人の声とともに、その扉が開きました。ちょうどお天気のいい日で、光が差し込む玄関に、笑顔でいっぱいの友人の姿。私はありったけの気持ちを込めて、「おめでとう」という言葉とともに、真っ白な胡蝶蘭を手渡しました。その瞬間、友人がパッと笑顔になった光景が忘れられません。期待以上に喜んでくれました。

 

 大切な人の、大切な瞬間をお祝いするのに、彩を与えてくれた胡蝶蘭。一生に一度のかけがえのない時間を、美しく壮麗な胡蝶蘭が何倍にも豊かにしてくれました。数日後、再び友人宅を訪れると、玄関で友人と共に、あの胡蝶蘭が、私を迎え入れてくれました。